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「あ、はいっ。
あ、いえ、あの、すみません」
枝村は素っ頓狂な声をあげてペコペコと、その頭を何度も仙石に向かって下げる。
手鏡を覗いていた女性議員、円谷が唇に何度もルージュを押し付けた。
「2キロにして、補償金額を抑えつつ、ツテのある保険会社に支払わせたらよ、ございます事よ。
経済基金の名目で上手く国家予算からループしたら、私たちまたお金持ちになれるじゃありませんか」
隣の細河が笑顔で彼女に賛同する。
仙石もゲタゲタと笑う。
「ちげえねえ」
そして水割りを平らげる。
次に、ばんっと管政人総理が机を叩いた。
笑っていた仙石も細河も口を閉める。
会議室の中に、岡村幹事長の文書をひっくり返す音だけが響き、続いて総理が口を開く。
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