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今は早急にこの新燃岳の危険性を公にして、すぐに被害範囲を検証し、非難距離を拡張すべきじゃと思いますぞ。
国民の安全が第一ですじゃ」
博士の声はかん高いだけで竹中洋山の様にドスは効いていない。
鳥山議員は冷静さを取り戻すと博士を横目で睨み答えた。
「政治に関しては口出ししないでほしいね。
博士も知ってるでしょ。
今、日本は一つにならなきゃいけない時なんだよ」
「東日本の大震災の事を言っているのかね。
じゃあ尚更じゃ。
ワシはね、今回の新燃岳の噴火は、あの地震との関連性も全くないとは思えんのじゃ」
「変な噂を立てて、国民を惑わすのは止めてよ
風評被害だよ、それ」
博士は呆れて言葉に詰まった。
この男は、「調査団」という言葉の意味を理解しているのだろうか。
烏山議員はからかうような目で、嬉しそうに博士を見て言葉を続けた。
「結局さ。発表してもしなくても噴火するんでしょ。
先に発表しちゃったらみんな政府の対応見るんだよね。
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