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当のマリアは、まだ焼け野原となった首相自宅の側にいた。
空は赤味を帯びていて、もう日没まで時間のない事が分かった。
見渡す限り地面は焼けて真っ黒になっていた。
どちらに向かえばいいかなんて予想も着かない。
傾いた電柱、地面からは火が吹き出し、真っ黒にすすけたブロックの塊を見て、なんとかそこが以前は建物を仕切る塀になってたのが分かる有り様だった。
周りには助けてくれる人はおろか、生き物は猫一匹いない状態で、マリアはただただその靴も履いていない足を、前に進める事しか出来なかった。
ふつふつとあのミサイル発射のボタンを渡した前橋に対して怒りが込み上げて来た。
全て、なんの説明もしなかった、奴のせいだと思った。
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