導かれた隣人

出会い

『………わかった、わかったからもう自分を攻めるな!!………泣き止んでくれ。』

影貴はそう言って更に強く抱きしめた。

『ぐっ…ぐるﾞじいﾞー』

聖夜は強く抱きしめられたせいで息が出来なくなっていた。

『…あっ、すっ、すまん。』

影貴はすぐに身体を離した。

『はぁ～、はぁ～。』

“俺、今、何…された？抱きしめ…られて…た？”

聖夜は肩で息をしながらそう思った。

『ホント、ワリ～。どうしたらいいかわからなくなって………とりあえず落ち着かせようと思ったんだ。イヤなのに抱きしめなんかして悪かった。』

影貴はそう言い終わると立ち上がり後ろを向いて立ち去ろうとした。

『……(ャ)じゃない………おっ…俺、イヤじゃなかった。……だっ…だから……(行かないで。)』

聖夜は立ち上がり、その場から行こうとする影貴の腕の服をギュッと掴んだ。

“俺、何言ってんだ!?どうかしちゃったのか？行かないで欲しいなんて……もっと抱きしめられたいなんて……こんなの……俺じゃない……俺じゃないのに………”

『……えっ!?柊…さん？何……言っちゃってんの？俺の事わかってる？』

影貴はビックリして振り向いた。

聖夜はそう言われて自分が何をしているのか気付き、服から手を離した。

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