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昨日の出来事。
‘ピ~ンポ~ン’
聖夜は隣へ挨拶をしに菓子折りを1個持ちインターホンを鳴らした。
『はぁーい!!』
奥から声がして玄関に向かって歩いて来るのがわかった。
“あぁ~、緊張する~。いい人だといいな。”
‘ガチャ’
『はい。』
『………ぁっ…あの……今日隣に引っ越してきた[柊 聖夜]と言う者です。ご迷惑おかけするかもしれませんがよろしくお願いします。』
聖夜は緊張のあまり軽く目を反らしながら少し早口で言って頭を下げ、菓子折りを渡した。
『……あー、どぅも。俺はヨシキ。よろしく。』
ヨシキと言う人は菓子折りを受け取りながら言った。
“えっ!?名前?普通苗字を言うんじゃないのか?しかも最初なんか間があったし。それに何か頭の上からつま先までジィーと見られてた気が………気のせいか?”
『………(な)まえ?』
聖夜がそう思っていると心の中で言ったつもりの言葉が口から出ていたみたいでそのヨシキと言う人が口を開いた。
『………んっ?あぁ~、ワリ~ワリ~。俺、[吉城 影貴(よしき えいき)]ってんだ。ヨシキって名前かと思った?クスッ』
『……あっ!?イヤ…その…すっ……すみません。』
聖夜は慌てて頭を下げて謝った。
『あぁ~、いいっていいって。俺がフルネーム言わなかったからだし。』
影貴は少し笑みを浮かべながら言った。
『ホントすみませんでした、では。』
聖夜はそう言うと軽く頭を下げ、そそくさと自分の家に戻った。
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