全てが狂った

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朝になり、父と母は車で避難所に妹を探しに行くと言い出しました。 「待って!なおも連絡とれないんだけど!」 「なおは男だ!大丈夫だから!」 そう言って父は出ていきました。 私は、ただ不安で子供達と二階から外を眺めました。 外は黒いヘドロと魚と瓦礫がいっぱいでしたが、人がチラチラと歩いているのが見えました。 私は急いで外に出ると、泥で道がいっぱいで歩くのが大変で、長靴がなかったので、ロングブーツでグッチゃグッチゃと道路まで歩いて行きました。 すぐ近くで通行止めに自衛隊の人が立っていたので、 「〇〇の情報教えてください!」とお願いしました。 なおは〇〇という海に近い運送業で働いていたからです。 「まだ情報が把握できてませんので」 確かそう言われたと思います。 とにかく道行く人に聞いてみましたが、あっちの方はヒドイらしいよ。 などという話ばかりで、状況は把握できませんでした。 しばらくすると、父と母が帰ってきましたが妹がいませんでした。 「ゆうは?!」 「避難所いろいろ回ったんだけど、マクドナルドの人達はいなかった」と言っていました。 私はとにかくどうしたらいいのか分からず、とりあえず父と母は店の片付けを始めました。 私はじっとしていられず、下の子をおんぶして娘をつれて、なおから聞いていた、近くに住む同じ会社の人のアパートを探しに出かけました。 少し行くと、どこかから 「ママー!ママー!」 と声が聞こえて、見てみると妹のゆうでした。 「ゆう!無事だったんだね!良かった!」 ゆうはマックの制服が半袖だったので、誰かのコートとジャージを借りて歩いてきたようでした。 「保育園に避難してたんだけど、寒いし、とにかく帰りたかったから山歩いて帰ってきたよぅ」と言っていました。
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