イケナイコト

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 「私も同じです」  「トキメキ不足なのか?」  コクリと頷いた私を見て、静かに優しく笑う主任をまた見詰めていた。  瞬き一つでさえ、私の鼓動を奪っていく。  深い香りが鼻先をかすめ、温かい吐息が髪に触れる。  気付けばやっぱり主任の顔は直ぐ目の前にあった。  触れるか、  触れないか。  理性と本能が交差する。  直ぐ隣合わせに互いの欲望が確かに存在している。  それが堪らない程、私の心を煩く鳴らす。
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