序章

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小学校五年春。 兄が去年 少年野球を卒業したからと言って、 私の土日の予定が変わる訳ではない。 弟の少年野球の応援。 実際応援なんてしてたのは 母親だったし、 私は小学校のグラウンドの 誰もいないブランコで 一人ぼけ~っと過ごしていた。 妹や、他の子供達の世話なんか 等の昔に飽きていた。 何故毎週毎週連れて来られるのか 意味がわからなかった。 応援に来たって母親が私の方を向いて、 遊んでくれる訳ではない。 兄が野球を始めてからは いつもそうだった。 学校が休みの日、 私は親と遊ぶことはなかった。 妹の世話に、野球の応援 そして、学校の役員。 忙しい母親に我が儘など言えない。 幼い私は、兄と弟、そして妹が 母親に目を向けてもらっていて ただただ羨ましく、 だがそれを口にできない そんな生活をしていた。 、
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