Prologue

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  魔車鏡香(まぐるまきょうか)は今年で25になる中学校の英語教諭であった。 ここで「あった」という表現を用いた理由は後に説明するまでもなく察してほしい。 彼女が教職を辞めたか死んだかのどちらかであり、どちらにせよ英語教諭であったことなどというすでに過去のものである情報が何の役に立つというのか、この資料を基に今は亡きものとなってしまっている彼女の人に知られたら恥ずかしいちょっと特殊な性癖なんかが露顕するというのであれば私は大手を振ってこのA4三枚にまとめられたなんとも味気ない彼女の資料を全力の全開で音読してみせようと思う。個人的にはアナル丸々な感じで表記されるところに興味が……ああ、うん、ごほごほ……さて、長い横路に反れる前に路線を直そうか。まあ、さらっと流してしまったが彼女は辞めたか死んだかで後者であると伝えることが出来たのだからよしとしようではないか。 そう、彼女は死んだ。 英語で言うとこのShe die. もっと詳しく言うとShe was killed by … ――おや、そんな顔をしないでおくれよ。まだ話は始まったばかりだよ? 少し前に流行ったケータイ小説で言えばまだまだ二ページ目の段階さ。……だから、おい、見苦しく汚らしいその顔ぶっ潰してもいいから話だけでも黙って座って聞いてろよ糞坊主。  
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