secret9.

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「何これ?」 あの後、ひとまず名刺を受け取った俺は、仕事に戻った。 夜10時に仕事が終わると、駅前で丁度淳平に会って家に泊めてやることになった。 「何ってナニ?」 「この名刺。」 「名刺?」 「このclubってホストクラブ?」 それは、さっきバイト先で話しかけられたホストからもらった名刺だ。 「あぁ、バイト先に来てた客がホストで、俺にそこでバイトしないかって。」 「えっ?なに、お前ホストやんの?」 「やるかよ。つか、俺未成年だよ?できねーだろ。」 「…そっかぁ。でも、ホストってもうかるよな。」 「…そうなの?」 「売れればね。最近読んだ漫画がホストの話しでさ~。でも、北村にはホストは無理だろ。」 「なんでだよ?」 そう言われると、少しイラッとする。 「だって、客にお金使わせるために、自分が彼女だって思わせるような態度取らなきゃだよ?」 「…例えば?」 「手繋いだり、抱きしめたり?そんくらいならいいけど、キスしたりやったりしなきゃな場合も出てくるみたいだよ。」 「は?!やるの?」 「すっげぇ大金使ってくれる客を、つなぎ止める手段みたいな?」 うっわ~。 じゃあ、今日会ったホストもそうゆうことしてんのか? 「北村が会ったホストって、ブランド品とかいっぱい持ってなかった?」 そう言えば… 「持ってたかも。」 「それの大半が、客からの貢ぎ物だぜ?」 「えっ?だって、あれ…下手したら100万単位のブランド品…」 『キミなら、月100近くは稼げるんじゃねぇかな。』 俺がバイトで入って、100万近く稼げるなら、あの人たちは月何百万って稼いでるってことか。 「そんなん持ってたら、金銭感覚おかしくなりそう。」 「まぁ、北村はホストやるなら恋愛してみないと。」 「なんで?」 「恋愛しなきゃ、色恋とか分かんないだろ?」 まぁ、確かに。 俺には一生できそうにない仕事だなぁ。  
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