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昼休み。
あたしは慌ててお弁当を食べて部室に向かった。
昼休みになってすぐ、校内放送で先生に呼び出されたからだ。
校内放送で自分の名前を言われるのは恥ずかしいけど、あたしの名前を呼んだのが柏木先生ってだけで愛しくなる。
部室の前に着いて、ドアを開ける前にポケットから鏡を取り出し、乱れた前髪をさっと直した。
「よし」
ドキドキする心臓を落ち着かせながら、首から下げたカメラをそっと握る。
「失礼します」
そっとドアを開けて部室に入ると、部室の真ん中にあるテーブルに写真のアルバムを広げてみている先生の姿を見つけた。
「お、やっと来た、昼飯は食った?」
「マッハで食べましたよ」
「急かして悪かったな。座って。」
そう言って、先生は自分の隣の椅子を引いてあたしに座るよう促す。
隣って…。
近いんですけど。
「来月の展覧会用の写真、まだ決まってないのお前だけなんだよね。」
口を開いた先生から出て来た言葉は、やっぱり予想通り展覧会の話だった。
「市ヶ谷の撮る写真…俺けっこう好きなんだよね。」
「…ありがとうございます。」
先生の口から「好き」と言う言葉を聞くだけでドキドキしてしまう。
「いいの撮れた?」
「何枚か撮ってみてるんですけど、コレッて言うものがないんですよね。」
ハァ~ッとため息をついて、手元にあるカメラを見つめた。
「そのカメラで撮ったの?」
「はい」
「んじゃ、ちょっと現像して見てみようか」
「え」
そう言うと先生は、あたしの首からカメラを取って暗室になっている部屋に向かった。
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