secret1.

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暗室になってる部屋は狭くて、人が一人入るのがやっと。 さらに、現像の仕方を知らないあたしは、先生に任せるしかなくて、現像が終わるのを座って大人しく待っていた。 10分ちょっとで先生が暗室から出てきた。 そしてまたあたしの隣に座ると、現像したての写真を一枚ずつゆっくりと見始めた。 「ん~、なかなか良いんだけどなんか物足りない…かな~」 「……………」 「お?」 一枚の写真のところで先生の手が止まった。 「人物撮るの珍しいね」 「えっ?」 そう言われて、あたしは先生の手の中の写真を覗きこんだ。 「あ、これはちがっ…」 それは、今日の朝。 あの屋上で撮った写真。 そう、北村勇二の寝顔だ。 「ふ~ん、北村ね。なに、お前北村のこと…」 「違います!!」 「別に隠さなくても、俺言わないし…」 「そーゆーんじゃなくて、たまたま寝てるの見つけて、しかもなんか周りの風景綺麗だし、北村くん被写体としてすごく魅力的でつい…」 「確かに、こいつ綺麗な顔してるよな。…これ、すげぇいいと思う。」 「え…」 「これにしねぇ?」 「冗談ですよね?」 「いや、マジだよ。北村の写真ならすげぇ人気出そうだし」 「でも…」 それは、隠し撮りだからなぁ。  
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