secret9.

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それから俺は、大輔に内緒で新聞配達を始めた。 中学生で出来るバイトで、コツコツ貯金を増やして、引っ越しの金を貯めてたんだ。 だけど、それが大輔にバレた。 「なんで新聞配達なんか?」 夕飯の後、大輔と伯母さん、由貴さんの3人に囲まれた俺は、仕方なく思ってることを話した。 「…出たいんだ。この家。」 「え?」 「高校に行ったら、一人暮らしする。」 「勇二、お前何言ってんの?」 「もう決めたから。」 「勇二、せめて寮のある高校にしたら?」 由貴さんにそう言われたけど、他人と一緒の生活なんて無理だ。 「やだよ。他人と一緒の生活なんて。」 「だったら、ここにいろよ。」 大輔の声は少しイライラしていた。 「ここだって…」 「俺らは他人じゃねーよ!!」 バンッと、机を叩く大輔が、初めて俺を怒鳴りつけた。 「俺はお前のこと、弟だと思って接してたんだけど、お前は違うのか?」 大輔の目が、真っ直ぐ俺を捉えた。 「俺は、お前の兄貴になれてなかったか?」 …思ってなかった訳じゃない。 兄貴がいたら、大輔みたいな感じなのかなって、いつも考えてた。 でも… 「兄貴みたいだって思わなかった訳ないだろ。だけど、もう嫌なんだよ!!」 今度は、俺が大きな声を出した。 伯母さんと由貴さんが、ビクッとするのが分かった。  
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