secret9.

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真面目な話をするのは苦手だ。 特にこの3人とは。 母親に捨てられた俺を、当たり前のように受け入れてくれて、俺を家族だと言ってくれる3人に対して、俺はちゃんと向き合って来なかったから。 「…一緒にいるの、辛いんだ。」 やっとのことで出せた言葉に、涙が零れそうになる。 「…つらい?」 その言葉に、大輔の顔が歪むのが分かった。 「…俺は、母さんが憎い。 何も言わずに、俺の前から居なくなった母さんが憎いんだ。」 「…その気持ちは、分かってる。」 「…だから、辛いんだよ。 母さんに似てる伯母さんと伯母さんにそっくりな由貴さん。 2人と一緒にいるのが辛い。 母さんにそっくりな伯母さんに、甘やかされて、世話になってる自分が嫌なんだよ。 だから、この家を出たいんだ。」 ポロっと涙を流したのは、俺じゃなくて伯母さんと由貴さんだった。 「高校は、特待生制度のあるところに行く。授業料が免除になれば、家賃と生活費だけ稼げば生活していけるし。 この家に、迷惑はかけない。だから…」 一方後ろに下がって床に膝をついた俺は、3人に深々とお辞儀をして言った。 「お願いします。」 俺が初めてやった、土下座だ。 「やめて!!」 そんな俺を見て、駆け寄って来た伯母さんが俺の腕を引っ張った。 「分かったからやめて!! 母親に似てるあたしを嫌ったっていい。 そんなに辛いなら、無理しなくていいのよ。 だから…土下座なんて…」 涙を流しながら言う伯母さんの言葉は、少しずつ小さくなっていった。  
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