secret9.

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ハァ-っと小さくため息をついたのは、大輔だった。 「…分かったよ。 一人暮らし認めるよ。」 「…本当に?」 「ただし、条件つきな。」 「条件?」 「条件その1。俺が来年から就職が決まった海星高校に特待生制度がある。お前はそこを受験しろ。」 「海星高校?…結構レベル高いな。」 「条件その2。一人暮らしする場所は、ここから徒歩30分以内の距離にあるところ。」 「…なんで?」 「何かあった時に、俺たちがすぐ行けるようにだろ? お前の歳じゃ、保証人がいないと部屋借りられないんだから、俺がなってやるよ。」 「分かった。」 「条件その3…」 「…いくつあんだよ。」 「これが最後だよ。 時々、俺がお前の様子を見に行く。 だから…困った時は頼れよ?」 そう言って大輔は、俺の頭をコツンと小突いた。 泣きそうになるのをグッとこらえた俺は、コクッと頷いた。  
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