secret9.

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それからの俺には、休みなんてなかった。 いや、正確には俺たちか。 淳平も海星高校を受けると決めて、2人で勉強を始めたんだ。 冬休みも、春休みも、夏休みも毎日勉強。 こんなにも、勉強をしたのは初めてだった。 その甲斐あって俺たちは、海星高校に見事合格した。 もちろん、俺は首席で合格。 念願の一人暮らしを始めたと共に、学校の許可をとってカラオケでバイトを始めた。 「北村くん、このドリンク103によろしく。」 「はい」 駅前にあるカラオケボックス。 駅近にあるから、客の入りもいいし、他より割と時給もいい。 だけど… 家賃に食費、光熱費に携帯代。 週6で入れてもらっても、バイト時間は1日5~8時間。 時給は800円。 だいたい月10万くらいの給料。 家賃が4万。携帯代で1万。光熱費も全部で1万くらいって考えて、食費込みで自由に使える金は4万。 「貯金…は無理だよなぁ。」 正直、今のバイト代じゃ生活費だけでやっとだ。 「…掛け持ちすっかなぁ。」 将来的には、やっぱ高校出たら進学したいし、そうなったら学費とか掛かるし。 進学するなら、国立目指さなきゃだよな。 そしたら、予備校とかも行く必要あるだろうし。 ブツブツ独り言を喋りながら、俺は頼まれたドリンクを持って103号室をノックした。  
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