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「失礼します。」
103号室に入ると異様に歌の上手い男が、EXILEの曲をハモッていた。
「こちらコーラとジンジャエールです。」
俺に気づいて振り返った2人は、びっくりするくらいイケメンだった。
つか、芸能人みたい。
整った顔に、ワックスで綺麗にセットされた髪型。
一人はブルーのカラコンに、明るめの茶髪で、腕にはロレックスの時計。
もう一人は黒髪長髪。
おまけに八頭身。
身に付けてるものは、見たところブランド品ばっか。
まじで芸能人かな?
もしくはモデルとか?
ふと視線がぶつかったと思ったら、茶髪の男が俺をまじまじと、上から下まで見ていた。
「…やっべ~よ、オーナー!!こんなとこでめっちゃイケメン見つけたよ!!」
茶髪の男は、俺を指差しながら、黒髪長髪の男にそう言った。
「…おぉ、久しぶりにヒットだな。」
「こんなとこでアレだけど、スカウトしちゃっていい?」
「いいんじゃね?」
…スカウト?
ってことは、そゆこと?
「あ、あの…コーラを頼まれたお客様…」
俺は、恐る恐る声をかけた。
「あ、俺俺。」
長髪の男は、片手を挙げてコーラを受け取った。
もう一つのジンジャエールを、黒髪長髪の男の目の前に置くと、フイに話しを掛けられた。
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