79人が本棚に入れています
本棚に追加
「この写真…もらってもいい?」
「いいけど―お前…」
「…なんだよ。」
大輔がニヤニヤしながら、俺をまじまじと見ていた。
「いや、春かな~」
「はっ?」
「顔真っ赤ww」
「なっ―」
まじで?
思わず顔を覆い隠す。
俺の顔が赤い?
「写真で一目惚れね~。」
「ち、ちげーし。」
誤魔化しつつも、内心自分でも思った。
可愛いって思ったのは、本心だから。
「つーか。」
もらった写真をさっとポケットにしまい込む。
「わざわざ呼び出して何の用?」
「あー…」
大輔は、テーブルの写真を片付けながら、少し言いにくそうに口を開いた。
「飯食ってるか?」
「?食ってるよ。」
「今日、夕飯食いに来ないか?」
「…今日も淳平来るからいい。」
「そか。」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
なんだ?
この無言は。
大輔がハァっとため息をつく。
「やっぱり…せめて仕送り受け取れよ。」
その話しか。
前から仕送りをするって話しは出ていた。
だけど、俺はそれすら断っていた。
最初のコメントを投稿しよう!