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写真部の部室に入ったあたしは、そっと自分用のカメラに手を伸ばした。
もぅすぐ町内の展覧会がある。
その展覧会にうちの部からも写真を出させてもらえるようになった。
なのに、未だに展覧会用の写真を撮れていない。
「撮りたいモノがないんだよなぁ」
ボソッと呟いてカメラのレンズを覗いた。
「あ―」
ふとレンズに映ったのは窓の外の景色。
雲ひとつない快晴の空がキラキラ光っているように見えた。
「これだ…」
あたしは慌てて部室を飛び出し、廊下のすぐ突き当たりにあった階段を昇った。
息を切らしながら屋上のドアの前までかけのぼる。
ドアの前でハァハァと息を整えながら、ドアノブに手を掛けて、ふと思い直し手を放した。
「そういえば、屋上って鍵かかってるんだっけ…」
そう呟いた後、なんだか違和感を感じてもう1度ドアノブに手を掛けた。
そして、ゆっくりとドアノブを回した。
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