secret1.

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「明日香おはよッ」 「あ、ちーちゃんおはよ」 カメラを抱えたまま自分の教室に駆け込んだ。 その姿を真っ先に見つけて声を掛けてきたのは、中学からの友達の村山千花(ムラヤマチカ)通称ちーちゃんだった。 「部室行ってたの?ギリギリだったね」 あたしが自分の席に座ると、同時にチャイムが鳴り響いた。 「うん。展覧会に出す写真がなかなか撮れなくて」 「そっかぁ。もうすぐだもんね、展覧会」 「う、うん…」 「そういえば明日香、今日北村勇二見た?」 「えっ??」 その名前を聞いてドキッとしてしまう。 「今日見てないんだよね~。遅刻かな?目の保養なのにぃ」 ちーちゃんは、他校に彼氏がいる。 中学の同級生だった人で、高校が別々になってからあんまり上手くいってないらしくて、北村勇二を目の保養にしてるッて言ってた。 「北村勇二…」 屋上にいたよ。と言おうとして口を閉じた。 立ち入り禁止の屋上。 そんなとこに北村勇二がいたことは、言ってはいけない気がしたから。 だから、なんとなく言いたくなかった。 「明日香は興味ないもんね」 「え、」 「明日香が興味あるのは~」 ガラッと教室のドアが開いて、担任の先生が入って来た。 「愛しのだいちゃんだけだもんね」 ちーちゃんがコソッと耳元で言った。 あたしの顔は真っ赤になって、慌てて顔を俯かせた。 教室に入って来た担任、柏木先生に見られないように。  
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