天空界の幼い姫

3/3
前へ
/3ページ
次へ
天空界の中心にそびえる城。 名をシルフィア城といった。 この天空界に存在していて、なおかつ人の姿をしている者は、皆全て白い翼を持っている。 いわゆる、天使と呼ばれる者達だ。 天使は神に仕える者として、特別な存在とされている。 その中でも特に特別な存在が唯一つ、あった。 『おかあさまーおそとであそびたいー』 「ごめんね…リュシア。お外には出てはダメ。お城の中で遊びましょう?私はリュシアのそばにずっといるから…ね?」 リュシアと呼ばれた幼い少女。 年齢は四つほど。 天使は人間とは比べ物にならぬほど早く年齢を重ねるが、皆長命で、外見も最も美しい年齢の時のまま変わらず生きていけるため、年を取ることは気にならない。 しかし、このリュシアという少女は例外で、周りの天使より年をとるのが遅い。 天使というよりは人間に似た、一年に一度誕生日を迎えるというような年齢の重ね方をするのだ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加