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僕がよっちゃんに向けてガッツポーズをすると、よっちゃんは警備員の人の上半身を起き上がらせてあげながら言った。
「んぅ、ごめん、なさい…。ごめん、なさい…本当に…。してます、反省…。行きます、謝りに、後で…。」
よっちゃんは警備員の人を丁寧に寝かせると、ポケットから小さい小瓶を取り出して警備員の人の横に置いた。
「これ、買った、さっき。薬、取れる、しびれが。魔法、俺の、強力、しつこい、ちょっと、普通より。なったら、動けるように、飲む、コレを。治る、すぐに、しびれ。」
わざわざ『痺れ治しの薬』をあげるなんて、ほんっとよっちゃんって無駄に律義なんだから…。
「ほら、よっちゃん行くよ!!早くしないとボンバーが…ボンバーがっ……姉貴が危ない状況にっ…!!」
「ん~……考えすぎ、それ…。」
「うるさいっ!!よっちゃんのくせに!!いいから行くよ!!」
僕はよっちゃんの袖を掴むと、“関係者以外立ち入り禁止”と書いてある扉を開けて内部へ侵入した。姉貴、大丈夫かな…。大丈夫なのかな…。大丈夫だといいな…。ボンバーの息の根を止めないかぎり、姉貴に平穏は来ないよねっ…!!
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