第二十二章 魔界の着衣事情

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フィーはそう言うと、俺っちから手を離して手招きをしながら『メープル☆マテリアル』コーナーへと走っていった。俺っちも慌てて後を追うと、すでにコーナーへついていたフィーは服をあさっている。…女の人って本当に服が好きっすね。 「んーと、これも可愛いし、あれも可愛いし……迷うわぁ。なぁ、リーダー。どれがえぇかなー?」 フィーはそう言うと適当に服を手に取ってヒラヒラさせた。…そうっすね…フィーに似合うとしたら…。俺っちが服を片っ端から見ていると、一着だけフィーに似合いそうな服を見つけた。 「これとか、どうっすか?可愛いと思うんっすけど…。」 俺っちが選んだのは黄土色のフリフリのワンピース。今フィーが着ている服よりもだいぶ派手(はで)に見えるっすが、絶対にフィーに似合うっす。…決してフリフリのこういう服が趣味と言うわけじゃないっす。ただ、フィーなら似合うかなー的なノリで選んだっす。 「ワンピースか~。うん、かわえぇけど…ちょっと派手やん?」 「い、いや、この位が普通っすよ!!絶対、似合うと思うっす!!」 「…リーダー、こういう服を着る子が趣味なん?」 「ち、違うっす!!お、俺っちはフィーに似合いそうなやつをっ…」
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