323人が本棚に入れています
本棚に追加
「アハハハっ。嘘や嘘。冗談やって。うん、結構えぇやん?これ。……あ、試着ってできるん?」
「試着…っすか?」
俺っちが困ったように社長を見ると、社長が隅っこの方を指さした。その先を見てみると、かなり広めの試着室らしき部屋があった。社長サイズに作られた試着室っすね…。
「えーと、あそこっすよ。」
「うん、ありがとなぁ?じゃ、ちょっと着てくるわ。…覗(のぞ)かんといてな?」
「の、覗かないっすよ!!」
俺っちがそう言うと、フィーは小さく笑いながら試着室へと入っていった。
*トッポ*
「むんむんむん~……」
「どう?よっちゃん?気配で姉貴達の居場所は分かった?」
今、僕達は関係者以外立ち入り禁止の場所の最上階に来ている。ここからよっちゃんに、接近攻撃系お得意の『気配探り』を使って姉貴達の場所を特定しようとしていた。
「むんんんぅ~……………あ。」
「何か分かった?」
「ん、分かった。けど…、変、場所が。」
「変?なんで?」
「二人とも、いる、この上に。でも、いない、屋上には。」
「…ここ、一応最上階だよね?ここよりも上に行く階段あったっけ?」
最初のコメントを投稿しよう!