第二十二章 魔界の着衣事情

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「アハハハっ。嘘や嘘。冗談やって。うん、結構えぇやん?これ。……あ、試着ってできるん?」 「試着…っすか?」 俺っちが困ったように社長を見ると、社長が隅っこの方を指さした。その先を見てみると、かなり広めの試着室らしき部屋があった。社長サイズに作られた試着室っすね…。 「えーと、あそこっすよ。」 「うん、ありがとなぁ?じゃ、ちょっと着てくるわ。…覗(のぞ)かんといてな?」 「の、覗かないっすよ!!」 俺っちがそう言うと、フィーは小さく笑いながら試着室へと入っていった。 *トッポ* 「むんむんむん~……」 「どう?よっちゃん?気配で姉貴達の居場所は分かった?」 今、僕達は関係者以外立ち入り禁止の場所の最上階に来ている。ここからよっちゃんに、接近攻撃系お得意の『気配探り』を使って姉貴達の場所を特定しようとしていた。 「むんんんぅ~……………あ。」 「何か分かった?」 「ん、分かった。けど…、変、場所が。」 「変?なんで?」 「二人とも、いる、この上に。でも、いない、屋上には。」 「…ここ、一応最上階だよね?ここよりも上に行く階段あったっけ?」
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