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「早く連れて出て行ってください。迷惑なんです! 部屋の物色はされて無いみたいだから、金もカードも、つねに持ち歩いてるから、大丈夫だし。」 警察官は部屋に上がり込み、部屋全体を見渡してる! その前で、まったく姿勢を崩す事なく、女は座ってる。静かに目をつぶったままで。 「なにをしてるんですか? 早く連れて出てください!」 「誰もいません!」 その言葉にびっくりした俺は 「そんな訳ないでしょ!そこに、座っている、どこを見てるんですか?」 警察官二人は互いに顔を見て、何かを納得した。 そして、年長の人が「解りました、連れて出ますから、もう大丈夫だから、では失礼しました。」 と、言って部屋を出て行った。 俺を何か病人の様に見ながら… 女は、相変わらず座っている この女の存在は俺にしか見えないんだ!もしかして… 俺の頭の回路が壊れてる? そう言えば、医者が言ってた 「腫瘍が成長すると、神経も犯しはじめて、記憶障害も発生するから」と そんな影響で… そんなに早く進行する訳が無い! なら、いったい何? 女は、俺を見つめて微笑みながら 「解りましたか? 私の言ってた意味が…」
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