再会

5/15
前へ
/351ページ
次へ
「彩のお子ちゃまぶりは、相変わらずだな。」と笑う。 彩は「そんな事ないけど…。ホストなんて、行ったことなかったから怖いもん。」と拗ねた顔をする。 「そこが、相変わらずだよ。」 光は、そんな俺達の話をただ、聞いていた。彩を優しく見つめてた。 だけど、彩は全然気づいてない。 鈍感なのか? 、光の携帯が鳴った。 席を外して、電話を終えた光は、「ごめん…忙しくなったから、帰ってこいだと。」と彩を見る。 彩「えー。もう!!」 光「オーナーが友達なら、大丈夫でしょ。先に帰ってるからね」と言い、俺に「彩をお願いします。」と、お辞儀をして出ていった。 「彼と帰らなくていいのか?」と、私の顔を覗きこむ。 「光は、友達だよ、彼じゃないし。彼氏は、相変わらずいません」 「勿体ないな」と笑った。彩はあいつの気持ちに気づいて無いんだな。 やっぱり、お子ちゃまだな。 それから、卒業してからのこと。 昔の事、仕事中だったのに、二人で話つづけた。 やっぱり、可愛いな。 彩は、彩のまんま。 ホストなんかやってて、女なんか見飽きてたのに、彩は、違った… ずっと、話していたくて、時々呼びにくるマネージャーを無視し続けた。 仕事したくない!! 今の彩は、どんな女か知りたい。 良く飲み、良く話して、笑う。 あの頃より、刺が無くなり、柔らかい彩は、ホストクラブになんか似合わない。 ふと、時計をみた彩につられ、携帯をみた。 俺「もう、3時だぞ。大丈夫か?」 彩は「帰って寝ないと仕事に行けなくなる。そろそろ帰るね。」 「また、おいで。今度は、ちゃんと姫の接客するから。」 「勘弁してよ~、柄じゃないし。でも、凌くんに会えて、嬉しかった。」 「これ、アドレス。店に来るときは、連絡して。スタッフにも、話しておくからね。」と名刺を渡す。 また、会いたかった。 仕事じゃなく、昔の友人として。
/351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

461人が本棚に入れています
本棚に追加