見鬼(けんき)宮姫

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一人きりになると……。愛良宮は、深い嘆息をした。 心の弱さを見せると、鬼やあやかしが寄って来るので……。 気が抜けずいた愛良宮は千夜に会い、そして……。 確信したのである。 母に千夜が取り付くことを……。 弘徽殿の女御の怨みを一生涯かう事を……。 帝の寵愛を受ける事への代償だとしたら……。 なんと言う事だろう。 母は、ただ祖父の野心のために後宮に入り、教養の高さ、美貌を持っていたために……。 今上帝の眼が止っただけなのに……。 女と女の戦いは、執念深く……。 根深いものへと変わりつつあった。
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