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”春は曙…” という出だしで随筆を残した人は誰だっただろう…。 確か日本最古の随筆といううたい文句で古文の教科書に出ていたはずだ。 僕は学校というところがどうもなじめない。別に勉強というものが嫌いというわけではない。地理や世界史は僕の知らないことを沢山教えてくれるし、登下校の祭には、その町々の表情を肌で感じさせてくれる。 じゃぁ、何がいやなのかって? そんなこと聞く必要も無いじゃないか。人付き合いだよ、人付き合い。僕は、この人付き合いというものがどうも苦手なんだよ。なぜかクラスという人の群れの中に、うまく溶け込んでゆくことが出来ない。それは、僕が不良だからとか、いやな奴だからということではない。 原因は、僕がよそ者だからだ。だからといって僕が今まで暮らしたことのある町の全てが排他的な町だったかというと、答えは「NO」だ。むしろそんな町は少ない。いや、無かったといってもいいだろう。町全体で見ればそうかもしれない、僕の今まで通ったことのある学校だってそんなことは無かった。学校全体で見たときの場合は、ということに限るけどね。
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