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零『無理です!絶対無理!』
零が絶叫する。
新条『そうか。零は【あきらめる】のか…』
新条は【あきらめる】という部分を強調して言葉にした。
零はハッとした。
そう、自販機前で新条に言われた…
『ハヤトは諦めなかった。』
それを思い出したのだ。
新条『加賀…俺達の見込み違いだったようだ。
マシンを返しに行こう。』
再び加賀と新条がマシンに手をかける。
零『待ってください。』
加賀『ああん?』
加賀がやや不機嫌になって返事をする。
零『…練習する時間が欲しいんです。』
そこにミキが口をはさむ。
ミキ『零。
そんなのはあったりまえじゃないのさ。
マシンだってツルシ(意味:セッティングすらしていない状態)だからね。
とりあえず、ギア比、エンジンについてはどうしようもないから、特性についてはマニュアルを読みな。
ウィング角や足まわりは、ここでもいじれるから、アタシがまずウチのコースに合わせたセッティングして…その後で希望を聞くから。』
新条と加賀が頷いている。
2人共、いきなり模擬レースなんて事は考えていないようだ。
そこで、零に疑問が湧く。
零『え?ミキさんがコースに合わせたベストセッティングしてくれるなら、僕は口を出すべきじゃあ…』
ミキはフゥッ…と溜め息をついて説明する。
ミキ『零…アンタ、アタシの授業聞いてた?
確かにコースにとっては最良のセッティングが出たとしてもね…』
零『あ!ドライバーにとって、それがベストのセッティングとは言い切れない…』
ミキ『よく出来ました。
ほら、コクピットに座って、実際に触れながら、マニュアル読みな。』
零はコクピットに座り、マニュアルを読みながら確認していった。
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