lap11 白雪姫

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零『無理です!絶対無理!』 零が絶叫する。 新条『そうか。零は【あきらめる】のか…』 新条は【あきらめる】という部分を強調して言葉にした。 零はハッとした。 そう、自販機前で新条に言われた… 『ハヤトは諦めなかった。』 それを思い出したのだ。 新条『加賀…俺達の見込み違いだったようだ。 マシンを返しに行こう。』 再び加賀と新条がマシンに手をかける。 零『待ってください。』 加賀『ああん?』 加賀がやや不機嫌になって返事をする。 零『…練習する時間が欲しいんです。』 そこにミキが口をはさむ。 ミキ『零。 そんなのはあったりまえじゃないのさ。 マシンだってツルシ(意味:セッティングすらしていない状態)だからね。 とりあえず、ギア比、エンジンについてはどうしようもないから、特性についてはマニュアルを読みな。 ウィング角や足まわりは、ここでもいじれるから、アタシがまずウチのコースに合わせたセッティングして…その後で希望を聞くから。』 新条と加賀が頷いている。 2人共、いきなり模擬レースなんて事は考えていないようだ。 そこで、零に疑問が湧く。 零『え?ミキさんがコースに合わせたベストセッティングしてくれるなら、僕は口を出すべきじゃあ…』 ミキはフゥッ…と溜め息をついて説明する。 ミキ『零…アンタ、アタシの授業聞いてた? 確かにコースにとっては最良のセッティングが出たとしてもね…』 零『あ!ドライバーにとって、それがベストのセッティングとは言い切れない…』 ミキ『よく出来ました。 ほら、コクピットに座って、実際に触れながら、マニュアル読みな。』 零はコクピットに座り、マニュアルを読みながら確認していった。
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