訪問……

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父が怒った顔を見たことが無かった。 母や僕にいつも優しくて、 ずっと穏やかに微笑んでいたから。 それは大人になるまで続くものだと、 幼い僕は信じていた。 父が行方不明になるまでは。 平穏だった日々は、あっけなくて。 父の居なくなった日から、母の心からの笑顔を見ることもなくなる。 ーーー母の涙さえも。 きっと母は僕に心配をかけないようにしていたのだ。 そんな母も僕が高校を卒業した途端に倒れて、 帰らぬ人となる。
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