忘れられない出会い

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彼女と一緒に街の裏側を通るように走る。 目的地は唯一つ。 僕が隠れ家として使っている場所。 蔦の絡まる西洋風の建物に辿り着いた。 ?「此処……」 『僕の持ち物だから、心配は要らない』 古びた門の横に屈まないと入れない高さの扉がある。 その扉の鍵を開けて、彼女から先に中へ促す。 周囲を確認してから自分も中に入って直ぐに扉の鍵を閉めた。 ?「あの……本当に私も一緒に来てよかったんですか?」 『構わないよ。どうせ、僕の他には誰も来ないから』 ?「え………?」 『しっ!話の続きは屋敷の中でね』 ?「…はい。そうですね」 屋敷の扉の鍵は3つある。 一つ目は、扉の持ち手の左側。 二つ目は、扉の持ち手の真下。 最後の三つ目は、 僕の肉声。 日本で生まれたのに、僕は日本国籍じゃない。 そのせいなのか、僕の肉声は英語でなければ開かれない。 『souta amagasaki ok?』 呪文のように名前を名乗ると、扉が開かれた。
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