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?「そうたさん、という名前なんですね」
『ああ。まだ名乗っていなかったね。
僕の名前は、鴉舞家桜(あまがさき)颯汰』
「私は…櫻榎(おうか)もな、です」
リビングに案内しながら、お互いに名乗る。
『もなちゃん、て呼んでいい?』
「え!あ………はい。
じゃあ、私は颯汰さんって呼んでもいいですか?」
『いいよ。もなちゃん、もしかして学生?』
「今年の3月までは。今、は………」
『もなちゃん?』
急に話すトーンが下がる彼女を覗き込むようにして見れば、涙ぐんでいた。
『もなちゃん。逃げてた原因は………』
「そ…たさ………」
泣きながら抱きついてくる、もなを抱きしめる。
「今朝、私が知らない人といきなり結婚しなさいって両親に言われて。
訳がわからずに逃げて来たの」
『もなちゃん。僕も今日が初対面だよ?』
「だって、颯汰さんは……ンっ!」
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