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この時の僕らは知らなかった。
もなの両親は、僕の父親と親友だったということも。
特にもなの父親は僕の父をずっと探していて、
父が亡くなったことを最近まで知らなかったということも。
僕が小学校に上がる前。
父が急に行方不明になり、
1年後には亡くなったと知らされた。
母は気丈な人で、父が亡くなってから一度も泣き顔を僕に見せなかった。
ーーーだからかもしれない。
心が疲れてしまっていたのだろう。
僕が高校を卒業すると同時に、倒れてそのまま息を引き取った。
それからの僕は。
父の弟であるおじさんと二人暮らしになる。
おじさんはとても優しい人で。
僕を息子というよりも、弟のように可愛がってくれた。
それが、ずっと続くかのように思っていた日々。
たった3年で壊れてしまうとは知らずに。
おじさんまでも行方不明になり、
僕は一人になった。
今もおじさんの行方はわからない。
おじさんが行方不明になってから、僕の周囲が変わる。
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