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「で、私はどうやって自分を探せばいいの?」
少女はあくまでも強気でいることにした。
何となく、なよなよするのは嫌だった。
ブンタは咳払いをし後ろで手を組んだ。
ブンタの威圧感に少女は少し身を引く。
「まず、パッサート号で町に案内させていただきます。貴女はそこで“トレゾール”という宝を探してください。貴女にはトレゾールの声が聞こえますし、触れれば光を放ちますから見つけることはできます」
「その宝は他の人間に狙われたりするの?」
「そうですね。トレゾールにはそれぞれ能力がありますからね」
少女は適当にへーと返した。
少女が本当に気になること、それは
「危険が伴うってことよね?」
ブンタの返事は早かった。
「残念ながら」
何でこんなことをしなければならないのだろうと疑問を持たずにはいられなかった。
が、ここにいるのは少女の意志である。
自分が望んだのなら文句は言えまい。
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