641人が本棚に入れています
本棚に追加
「危険な旅……」
少女は今にも泣き出しそうだった。
それを隠そうとしているところもまた、健気である。
さすがにブンタも慌てたようだった。
「ご安心ください。強力な助っ人がおりますから!」
「すけっと?」
「ええ。この旅は危険です。だから私の弟子をお供にします」
そしてブンタはドアを見る。
「リュウ、入りなさい」
ばたん。
ドアから出てきたのは背の高い(ブンタにはおよばない)、黒髪に漆黒の瞳をした美少年であった。
リュウは少女の前まで来て丁寧に一礼した。
「陽向竜樹(ヒナタリュウキ)です。よろしく」
最初のコメントを投稿しよう!