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リュウの部屋は素朴な雰囲気であった。
剣が壁に立てかけてある。
「その辺にかけて」
少女は畳の上に腰を下ろした。
「えーと、何から説明しよう?」
?で聞かれても少女には何も分からない。少女は首を傾げるしかなかった。
「あっ、これ、とりあえずこの旅に絶対必要なものね」
リュウが懐から出したのは、四つ葉のクローバーの形をしたペンダントだった。
「これ、コンタットっていうんだ。トレゾールにも関わるし、通信、武器や荷物の収納、いろいろ使える。絶対なくしちゃいけないよ?」
少女はコンタットを受け取り光に透かしてみる。
緑色の小さな4つの宝石が光を乱反射する。
「きれい。……大事にする」
リュウはその後旅について一通り説明した。
まず、パッサート号で町に向かう。到着したら記憶のカケラ、トレゾールをさがす。
トレゾールの形は様々で少女はトレゾールの声を聞いて探す。
ここまでは少女がブンタから聞いたとおりであった。
「大変なのはここからなんだ」
トレゾールから記憶を取り戻すにはトレゾールの試練を受けなければならない。通称“Tテスト”。
試練は様々な形で行われる。
トレゾールが作り出した幻覚を倒すこともあれば、精神的に追い込んでくる試練もある。
試練の参加者はトレゾールによって指定される。
何も指定されなければ誰が協力しても構わない。
少女のみと指定されたら、リュウは手を出せない。
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