完璧少女

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「しつこいなぁ」 少女は溜め息混じりの声で呟いた。 少女が気にしているのは後ろの男性。 下校中、声をかけようとたくらむ輩。  少女にとってはこれが日常。 誰もが振り向くほどの美少女。 スレンダーだが、女性らしい体つき。 背も高い方だ。 そして小顔に大きな瞳。 くっきりした鼻筋。透き通るような白い肌。 ふと見せる笑顔は同姓さえも虜にする。 桜の花のように可憐で儚いが、どこか圧倒的な存在感がある。 しかも成績優秀。スポーツ万能。 こんな出来過ぎた少女を 誰がほったらかしにすると言うのか。 登下校で声をかけようと付いてくる人間が絶えない。 たいてい同じ学校の人間なのだが 他校や大人も混じっている。 危険な目に遭う事もしばしばであった。
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