641人が本棚に入れています
本棚に追加
「しつこいなぁ」
少女は溜め息混じりの声で呟いた。
少女が気にしているのは後ろの男性。
下校中、声をかけようとたくらむ輩。
少女にとってはこれが日常。
誰もが振り向くほどの美少女。
スレンダーだが、女性らしい体つき。
背も高い方だ。
そして小顔に大きな瞳。
くっきりした鼻筋。透き通るような白い肌。
ふと見せる笑顔は同姓さえも虜にする。
桜の花のように可憐で儚いが、どこか圧倒的な存在感がある。
しかも成績優秀。スポーツ万能。
こんな出来過ぎた少女を
誰がほったらかしにすると言うのか。
登下校で声をかけようと付いてくる人間が絶えない。
たいてい同じ学校の人間なのだが
他校や大人も混じっている。
危険な目に遭う事もしばしばであった。
最初のコメントを投稿しよう!