641人が本棚に入れています
本棚に追加
「なる、逃げよう」
愛海は少女に従い鞄を手にした。
2人はアイコンタクトを送りあい、駆けだす。
走り出した少女たちの後ろには
さっきとは違う男がいた。
少女がやばいと言っていたのはこの男のことである。
2人は足は決して遅くない。むしろ速い方だ。その辺の男子になら勝てる。
しかし、男は2人との距離をじわじわと詰めていた。
「こっち!」
少女が愛海を誘導する。
少女はできるだけ広い道に出ようと考えていた。
「きゃ! はなして、よ!!」
腕を捕まれた愛海は反射的に男の首めがけてけりを入れた。
だが、もう愛海はパニック状態である。
男がひるんだ瞬間愛海は全力で逃げた。
そして広い道に出ることしか考えられなくなっていた。
町の中心を走る道路に出た瞬間
愛海の目の前にあったのは大型トラック。
なんてベタな展開。
瞬時に冷静さを取り戻した愛海は、馬鹿、と自分を嘲笑い、目を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!