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『残された時間は僅かだ。私はこのまま屋上へ向かう。君は、この混乱の内に裏口へ急ぐんだ。』
皆本は何も言えなかった。久家は皆本の為に、多くの官僚の為に、その身を犠牲にしたのである。
『総理…。どうかご無事で…。』
『後は頼んだよ、皆本君。』
皆本は久家の言葉に答えず、部屋を出て裏口へと急いだ。
久家が今、最も望んでいるのは自分が無事に、この場所から逃げ出す事なのだ。その為に、久家は自身を囮にまでして自分を逃がした。皆本はその事だけを胸に、必死で裏口へと向かった。
しかし裏口まで後少しと言う所で、予想だにせぬ出来事が起きた。地球政府の人間が2名、AK-47を携え裏口の傍に立っていたのである。
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