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私には両親がいない。幼い頃の震災により家屋は倒壊し、幼い私だけが助かった。私は親族の元を、たらい回しにされた。
私にとって安住の場所などは無く、私の事を疎んじていた親族から離れる為にも、若くして国家自衛警備隊に就職した。
通称「国自隊」の前進は自衛隊であり、その任務は様々であった。
21世紀の日本は、まさに犯罪天国で、組織化された外国人による犯罪に、法治国家としての日本は全く機能しておらず、警察は飾りでしかなかった。
被害の拡大を恐れた政府は自衛隊を解散し、ネットワーク犯罪や民族マフィアに対抗すべく、軍事力を行使出来る諜報機関として国自隊を設立。初代国自隊には、公安の重鎮の名も数多く並んでいた。
そんな国自隊で皆本が学んだのは、銃器の取り扱いを始め、特殊な技術を要する乗り物の操作方法、諜報活動のイロハ、コマンドサンボなどの戦場格闘技の数々であった。
そこには国家が掲げる「ゆとり」など一つも存在せず、日常生活が常に戦場で、個々の権利は一切認められず、過程よりも結果を重視する完璧主義。
それが国自隊の唯一の理念であり、存在意義であった。
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