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そんなある日の事、皆本の元に一本の電話が掛かってきた。国自隊時代の上司、藤原からの電話だった。
『皆本か?』
『お久しぶりです。貴方の方から電話があるなんて、思いもよりませんでしたよ。』
国自隊の解体後、藤原を含む数名は要人警護、いわゆるSPの職に就いたと、風の噂で聞いた事がある。
『いや…お前に頼みたい事があって連絡したんだが、今は何をしてる?』
私は一瞬、答えに戸惑った。仮にも、国自隊でエリートと呼ばれた自分の今の姿を、藤原には知られたくなかったのである。
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