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『確かに君の言う通りだ。このままでは私の立場どころか、他の国々と同じ様に、日本と言う国までもが消えてしまう。まさか私の任期中にこんな事が起きるとはな…。』
久家自身も、ただ現状に甘んじていり訳ではなく、様々な方法を用いて地球政府に抗っていた。しかし地球政府は余りにも巨大で、しかも狡猾であった。
地球政府のマイクロチップ導入案が発案された時、日本は他国と違い島国であると言う事を理由に、マイクロチップの導入を拒否。その為に地球政府より物質の輸出や輸入は規制され、国家としての機能は著しく減退していた。
それに対し地球政府は政治特権により、属国後の地位を餌に多くの官僚を取り込み、国内に革新党と言う、小さな地球政府をを作り上げたのである。
『総理…。』
皆本は非常に優秀な秘書だった。彼は一を聞いて百を知る男で、前任の総理の第一秘書を勤め上げた男でもある。
過去に一度だけ、何故官僚にならないのか尋ねた事があるが、ただ表舞台に出る人間では無いと静かに答えただけだった。
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