2,不審者とスーツ

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  「よっ!」 するとそこには爽やかに笑った翔がいた。 「翔…!」 眉間に寄ったシワが一気になくなり,顔から笑顔がこぼれる。 「お前なにぼーっと突っ立ってんだよ。」 翔は私にデコピンをした。 バチンッと音を立てておでこに激痛が走る。 「痛っ…!!ちょっとさっきから何すんのよ!?」 頬を膨らませてると,翔はニヤリと笑う。 「何って,嫌がらせ?」 「はっ…?」 目が点なる。 …な,なにそれ~!!! 段々怒りが込み上がってきて,「ひどいっ!!翔のバカ!!」そう言おうとした。次の言葉を聞くまでは… 「まっ,こんな嫌がらせするのもお前だけだけどな」 翔は手に持った鞄を肩に掛けて,歩き出した。  
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