2,不審者とスーツ

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  「昨晩,部活帰りの女子生徒が不審者に襲われたらしい。」 「っ――!!」 先生の言葉に衝撃を受ける。 私だけではなくクラスの全員が衝撃を受けただろう。 「その生徒は間一髪のところで逃げ切れたみたいだが。その男はまだ捕まっていない」 するとみんな一斉にガヤガヤと騒ぎ出す。 「うそー!?」とか「こわーい」とか生徒から不安げな声があちこちで聞こえてくる。 「まぁ,落ち着け。警察も動いてくれてるし先生達も帰りの見回りをしようと思っている。」 みんなの強張った顔が少し和らいだ気がしたが,不安な気持ちが無くなることはなかった。 「だから帰りは2人以上で帰ること!いいな?」 先生はそれだけ言うと教室から出て行った。  
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