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俺は閻魔大王。
この冥界で永遠と死者達を裁き続ける存在。
俺が生まれたのは世界の始まり。
始めの人間として妹のヤミと共に創られた。
そして…
「大王、何ぼーっとしてるんです?」
「……え?」
触ったら気持ちよさそうな金髪、いかにも健康的な褐色の肌。
彼-鬼男君は怪訝そうな顔で俺の顔を覗きこんだ。
「あぁ、ごめんごめん
考え事してた」
「貴方が考え事ですか
…どうせセーラー服の事でしょう?」
「なっ…お、鬼男君!
なんだよその軽蔑の眼差しはっ!!
男なら…貴公子ならお前…
セーラー服だろっ」
「男ならセーラー服って…ただの変態じゃないですか
この変態大王イカ」
「くっ…相変わらず辛辣だな君は」
「そんなことないですよ
大王がおかしいから悪いんです」
人間として死んだ日から、ずっとこうやって裁きは続いてるけど…やっぱり今が一番幸せかも。
君が隣にいるから…ね。
「…鬼男君、俺君のこと好きだよ」
「な、なんですか突然…
どういう話の流れでそんなこと……
まぁ…僕も……好きですけど」
…可愛いなぁ。
頬を染めながらも視線を逸らして素直に応える俺の秘書。
なんてこともない、いつも通りの昼下がり。
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