二章:ルーズリア

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  「叱られたくない。叱られたくないけど、ちょっと気になって。止めようとしないの?」   「いえ全く」    これまた即答するアルネ。質問されるのを分かっていたような、考える時間もない早さである。   「らしくないわね。 堅苦しいあんたのことだから、何か言うかと思ったのに」   「先程警告はしたので、もう大丈夫かと思いまして」   「……なるほどね」    護衛はいいけど、連れ戻されるのは勘弁である。    ううむ。バレた上での脱出作戦、ね。考えてなかったわ……。なんとかなるかしら。    脱出するのはもう少し考えを纏めた方がいいわね。    結論を出し、頷く。   「よく分かったわ。 ま、アルネが私の味方になってくれることを祈ってる、とだけ言っておこうかしら」    それに対し、アルネは短い答えでシンプルに応じた。   「姫様のためになることなら、私は何でも賛成しますし協力します」    視線を微妙に逸らしながらの、優しい台詞。    何故かそれが私に向けられた言葉でない気がして、私は内心違和感を抱いた。  
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