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とりあえず言うべきことは……。
「姫様から離れなさい」
私が口を開くと同時に、アルネが私の隣から飛び出し、少女を引き剥がしにかかった。
流石は私のメイド、親友。私の言いたいことを代弁してくれた。
何故か表情が露骨なくらいに不機嫌そうだけど。
ぐいぐいと、アルネが少女を引っ張る。
「嫌だっ!」
しかし少女は私にくっついたまま。私ごと引っ張られないところを考えると、一応アルネは力を加減しているようだ。
……ううむ。なんでこんなに私にくっつくのだろう?
「姫様……」
力の加減も限界なのだろう。
アルネの泣き出しそうな視線を受ける。やっぱり私自身がなんとかしないといけないようだ。
これだけ遠慮ない人間に、敬語を使う必要もない。いつもの口調で私は言う。
「ちょっとあんた、暑苦しいから止めなさい」
「あ、ごめんなさいルーフル様」
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