二章:ルーズリア

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   あっさり離れる少女。目線の高さ、その差は私と十センチ程度。近くで見ると、更に小さく見える。    大きくクリクリした目を私に向け、少女は私の言葉を待つ。   「分かってくれればいいのよ――あれ?」    もっと手こずるパターンだと思ったのだけど。    拍子抜けしつつ、思わず首を傾げる。少女の後ろ、安心するように息を吐くアルネが見えた。   「やけに素直なのね」   「うん。ルーフル様を苦しめるわけにもいかないし」    私に対し、少女は敬語を使わずにハキハキと答える。不思議と馴れ馴れしい、とは思わない。彼女の可愛らしい容姿のお陰だろうか。   「小娘。姫様には敬語を使いなさい。敬語を」    アルネは違う風に感じたようだけど。    いつの間にか私の横という定位置に着いている。   「そんなこと言っては駄目よ、アルネ。それに小娘って。あんたいつもそんな言葉使わないじゃない」   「……」    無視である。 何も答えずにアルネはプイッとそっぽを向く。    何か不快なことがあったのかしら。    
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