二章:ルーズリア

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   コンリは悪い人ではないと思うんだけど……。    まあ、人にはそれぞれ苦手なタイプがある。たまたまアルネのそれに、コンリが当てはまったとかそんなところだろう。   「じゃあ取材を受けるわ」    アルネにはちょっと酷だけど、もう取材を受けると決めた。    少しでも人の役に立つのだ。そうと決まれば、まず――   「立ち話もアレだし、どう? 私の部屋にでも」    廊下から場所を変えないと。取材の情報が洩れたらいけないしね。    私は少し先の扉を指差す。   「――な!? 姫様それは……」 「あ、いや、折角のお誘いだけど、いいや。取材は質問を幾つかするだけだし」    二人の返事が重なるが、コンリの方が声のボリュームは高く、アルネの声は聞き取れなかった。   「ならいいわ。ここで取材しましょ。 ……あと、アルネ。さっき何て言ってたの? ごめんね、聞き取れなくて」   「はいっ? い、いえっ。決して、そんなすぐ抱きつく女を部屋に、とか、私も最近遊びに行ってないのに、とか言ってませんし、思ってません!」    あたふたとやたら長い台詞を話すアルネ。相当慌てているのか、手をバタバタとさせ、首を何度も横に振っている。   「そう? 思ってないならいいけど」    そんな必死に言わなくても、アルネの言葉なら信じるのに。    私は信頼を込めた優しい表情を浮かべ、アルネを落ち着かせようとする。    ……が、   「バレバレなのによく信じるよね」 「なんか複雑です……」    反響はよくなかったみたいだ。  
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