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五分が過ぎた。
「ふむふむなるほど。
好きな食べ物はケーキと、サンドイッチ……」
「え、ええ。ケーキはショートケーキ、サンドイッチは基本的にパンに挟んであれば何でも」
五つ目の質問、好物についての質問を答える。
この問いに需要があるのかは不明だが、まあいいだろう。記憶は関係ないし、今までの質問よりは若干気楽だ。
足がくたびれてきたけど、幾つかと言っていたし、そろそろ終わるだろう。休まず鉛筆を走らせるコンリに感心しつつ、私はベッドで休む未来に想いを馳せた。
早く眠りたい……。けど、ご飯食べてないしお風呂も入ってないから、寝るまであと二時間はかかるわよね。
「では最後の質問を……」
予想は当たったらしく、最後だとコンリが告げる。
その台詞とともに、彼女の鉛筆を持った手が止まった。うん? 何も書かないのかしら。
「コンリちゃん、どうかした?」
「――な、何でもない。ちょっとぼんやりしてただけ。えと、最後の質問するよ?」
「うん、いいわよ」
こくりと頷く。コンリは首を横にブンブンと振ると、また明るい表情を浮かべる。
目に映る景色はさっきと同じだけど、何故だろう、空気が重くなった気がする。
「ルーフル様は導きの神、ルーズリアを知ってる?」
変化した空気の中、コンリが尋ねてきたのは、意味が分からない単語についてだった。
導きの神、ルーズリア? ルーズリアって、国の名前と、ルーズリア国の王族の名前じゃなかったの?
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